トコトロニックの白いアルバム

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トコトロニックの白いアルバム。それは彼らが2002年に出した、以前とは全く違うスタイルと内容のものだった。実際、アルバムにはっきりとしたタイトルがなく表紙にはバンド名が書いてあるだけで『トコトロニック』と呼ぶことが多いが、ファンは『白いアルバム』とも呼ぶ。

一番目の曲『This Boy is Tocotronic』がまだアップビートなロックであるが、下記のビデオが暗示するとおり、それはトコトロニックのシュールでもつれた世界への旅へ踏み出す一歩であり、最後の曲『ペテン師からの知らせ』までたどり着くと言葉の限界だけでなく、現実と幻想の危うく心地いい境界線を何度も超えたような気がする。初期のアルバムのどぎついアマチュア風味はなく、歌詞の内容も反社会的抵抗力を唱えるよりも我が精神を何かに任していく、導いてもらうそういう無力で不思議な印象を残す。耐えられない日常に降伏して完璧な現実逃亡を意味するのでは?

この日本語訳も大学時代で自分の日本語の勉強のために書きはじめ、最近になって完成した。『降伏』よりも『トコトロニック』に複雑な歌詞が多く、歌手のディアク・フォン・ローツォーが書いた原文に曖昧な表現、省略文、「不条理の迷路」のようなセンテンスが含まれてドイツ人にでも理解しづらいがかなり魅力的だ。全アルバムの内でも一番詩的で美しいかもしれない。

私のお気に入りの曲の二つは『影は影を落とさない』というラブソング(「まだ知らなくても直覚的に理解したことの奥へと二人を導いた、まっすぐでなくもつれて通じるこの小道の道端には花が生えている」)と『無知の雲』(「僕らを結びつけるのは共通性よりもこの短い時をとおす道である」)。

上記の画像がPDFのリンク。意味の無い仕事はまだつづく:次に『K.O.O.K』と『文句を言うために来てる』の二アルバムの翻訳文を載せます。

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トコトロニック — This Boy is Tocotronic

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Arbeit ohne Sinn, Folge Zwei: Japanischübersetzung von Tocotronics weißem Album von 2002. Demnächst werden “K.O.O.K.” und “Wir kommen um uns zu beschweren” folgen. Die Graphik oben ist ein Link zum zweisprachigen PDF.

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