トコトロニックの『どうでもいい、けど』

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「どうでもいいけど、こんな風じゃやっぱ嫌だ」は、トコトロニックの飽きれた世界観を一つのスローガンとしてまとめたタイトルを持つ四つ目のスタジオ・アルバム。 この1997年のアルバムはトコトロニックのハンブルク時代の典型的なスタイルを代表する。ギターとボーカルを担うディアク・フォン・ローツォーの他にベースのヤン・ムラも何曲を歌うが、このアルバムで最後になる。

前のアルバムよりも歌詞と音楽が洗練されていることが当時にも認められたらしいが、現在の彼らの音楽とずいぶん違って、「僕の人生最高の一日」、「いつまでも君の敵」、「ロータリ・クラブでの夕べ」、これらの曲のなかに日常叙情詩のように描かれた世界はまるで少年の日記から切り取った何気ない出来事が語られる。ぎくしゃくした人間関係を主に内容とする17曲がだいたい3分を超えない。幾つかの歌にハーモニカや弦楽器といった新しい楽器を活かそうとする一方、三羽の小ガモが写ったアルバム・カバーのフォーカスの甘い写真が暗示するようにトコトロニックはこの時点でもアマチュア・バンドのイメージを保ち、安いドイツ語ダジャレを使ったり、ライブでは必ずダサい感じの古着Tシャツを着たりして、ロック・バンドであることがいかに面倒くさく有りがちな試みかという態度を見せる。この後は初のアメリカツアーにも出かけて、ブルームフェルトゥディ・シュテアネと並ぶ社会批判を発揮するドイツ語アンダーグラウンド音楽を象徴するいわゆる「ハンブルク学派」の大黒柱と評価されていた。

今回もなるべく元の歌詞に忠実に訳したので、いつもよりラフな言葉遣いと省略された表現が目立つ。これでしばらくトコトロニックの翻訳作業から休みます。日本語の勉強のために四つのアルバムも翻訳した。彼らの最新作 ”Schall und Wahn” 『響きと怒り』は2008年の『降伏』からまた、象徴の森への気の狂った進歩を意味していて素晴しい。日本のiTunes Storeでもアルバムが購入できるようになり、この翻訳がドイツのロック音楽に興味を持つ人にとって少しでも役に立てばそれほど空しい作業ではなかったかもしれない。翻訳ファイルは、上のアルバム・バンナーをクリックしてPDFとしてダウンロード!


Dieses Jahr ・ 「この一年」

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Die vorerst letzte Japanischübersetzung eines Tocotronic-Albums! “Dô demo ii, kedo” als Download auf das obige Album-Banner klicken!

3 thoughts on “トコトロニックの『どうでもいい、けど』

  1. はじめまして。
    Tocotronicを探していて辿り着きました。
    まさか、日本語訳があるなんて驚きました!
    ドイツ語の勉強のために、日本語に訳してやろうかと思っていたので(笑)。
    何だか嬉しかったので、つい書き込んでしまいました^^;
    お邪魔しました。

  2. ららさん、コメントありがとうございます!
    私も日本語の勉強のためにアルバムを翻訳しました。けっして完璧ではありませんが、トコトロニックの曲をもっと理解できるようになれば私も嬉しいです。

    ちなみに、トコトロニックのことはどうやって知りましたでしょうか?

  3. 日本語がとてもお上手で、ビックリしました!

    you tubeを見ていて、たまたま端っこの方にトコトロニックがあったんです。
    ドイツ語で歌ってる人を探していて、曲名がドイツ語だったので聴いてみたという感じです。
    そしたら結構声もメロディーラインも好みで♪
    CDは持ってないですが、ネットで聴きあさっています^^

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